かしこいアプリケーション起動ユーティリティ
DropReception Macintosh用
User's Guide 2.2J/4.2.96

目次


それはなに?

Macintoshには『ファインダでアプリケーションのアイコンに ファイルをドラッグ&ドロップして開く』というワザがあります。 自分はこれが気に入って、普段使うアプリケーションのエイリアスを ドラッグ&ドロップするためにデスクトップに置いておく、ということを やっていました。で、気がつくとデスクトップにたくさんのアプリケーションの エイリアスが所狭しと並んでいる状態になってしまったわけです。

DropReception はこういった状況に陥ってしまった時にとても有効です。 これを使えば、デスクトップにただひとつのアイコンを置いておくだけで、 あらゆるアプリケーションにファイルをドラッグ&ドロップすることが 可能となります。

DropReception はファイルの種類と、それを開くアプリケーションとの 関係を覚えて、どのファイルでもそこへドラッグ&ドロップするだけで、 適当なアプリケーションにそれを中継してくれます。


どこで手に入るの?

最新版の DropReception とそのドキュメントはここにあります。
それぞれのファイルは DropStuff 3.5.2 + BinHex 4.0 で圧縮/エンコードされています。
ドキュメントはご覧のように HTML フォーマット + GIF ファイルです。


動作環境は?

DropReception はバージョン 7.0 以降の MacOS(漢字Talk)で動作するように 作ったつもりです。また 68020 以上の MPU が必要です。 とりあえず、以下の環境では動作することが確認されています。 また他のアプリケーションにドラッグ&ドロップを中継する ためにアップルイベントを使用しますので、必須のアップルイベントに 対応していないアプリケーションは DropReception で起動したり ファイルを開くことができません。


インストールの方法は?

アーカイブファイルには少なくとも以下のファイルが含まれます。 DropReception 本体は、どこでも好きなところに置いてください。 ただ、ドラッグ&ドロップして使うものですから、それ自体かエイリアスを デスクトップに置いておくのが普通です。

DropReception Support は機能拡張フォルダに入れてください。 システムフォルダにドラッグ&ドロップするだけでインストールできるように 機能拡張ファイルになっていますが、実際には INIT コードは持っていませんので、 再起動の必要はありません。

また、DropReception は初期設定フォルダに DropReception Prefs というファイルを 作って、設定情報を格納します。

自分は、プロセスマネージャが管理するメモリの断片化を防ぐ目的で DropReception を 起動項目フォルダに入れて常時動いているようにしています。DropReception はできるだけ 少ないメモリで動作するように作ったつもりですので、こうしておいてもメモリを圧迫する ことはないと思います。また、あまり使わない一部の機能は必要なときにだけ DropReception Support として別プロセスで実行されるようになっています。

DropReception は PowerMacintosh でも、68Kエミュレーションで実行されます。 これも必要なメモリを少なくするためです。PowrPCネイティブにしても 極端にメモリが必要になるわけではありませんが、DropReceptionのように 小さなアプリケーションではこれも有効だと思います。

なお、DropReception はアプリケーションを検索するためにデスクトップファイルを 参照しますので、定期的にデスクトップファイルを再構築することをお勧めします。 特にあるアプリケーションをより新しいバージョンと置換えた場合、DropReception は デスクトップファイルから古いバージョンに関する情報をを見つけ、それを起動しようと したときに『ファイルが見つからない』というエラーが発生するかもしれません。


どうやって使うの?

ここでは、チュートリアル的に DropReception の使い方を説明してみたいと思います。 DropReception をインストールしたなら、とりあえず普通に Macintosh を使ってください。 すぐになにかファイルを開きたくなってくるハズです。

なにかファイルを開きたくなったなら、そのファイルを DropReception の アイコンにドラッグ&ドロップしてみてください。ここでは『秘密のテキスト』 という名前のテキストファイル(ファイルタイプが 'TEXT')を開くことに しておきます。

Reception ダイアログボックス

DropReception は以下のようなダイアログボックスが表示して、 ドラッグ&ドロップを中継するアプリケーションを尋ねてきます。 これを『Reception ダイアログボックス』とでも呼んでおきます。


Reception ダイアログボックス

Reception ダイアログボックスにはテキストファイルを開くための アプリケーションのリストが表示され、そこからドラッグ&ドロップを 中継するアプリケーションを選択するわけですが、DropReception に テキストファイルを与えたのは今回が初めてですので、このリストは空っぽです。

アプリケーションの追加

ドラッグ&ドロップを他のアプリケーションに中継するためには、 このリストにアプリケーションを追加する必要があります。 それには『Add...』ボタンをクリックします。 そうすると標準的なファイル選択ダイアログボックスが現れますので、 ここでテキストファイルを開くためのアプリケーションを選択します。


アプリケーション選択ダイアログボックス

今回は最初ですので、とりあえず SimpleText でも選んでみます。 そうすると先程の Reception ダイアログボックスに戻ります。


SimpleText 追加後の Reception ダイアログボックス

今度は、アプリケーションのリストに SimpleText が追加されていて、 それが選択された状態になっています。ここで『Select』ボタンをクリックすれば 先程ドラッグ&ドロップした『秘密のテキスト』は SimpleText で開かれる ことになりますが、今回はその前に他のアプリケーションも追加してみます。


さらに追加後の Reception ダイアログボックス

自分が普段使っている YooEdit を追加してみました。 アプリケーションが追加されるときには、現在選択されているアプリケーションが あればその前に、なにも選択されていなければ一番後ろに追加されます。 リスト中のどのアプリケーションでも選択して『Select』ボタンをクリックするか、 『Return』や『Enter』キーを押おせば、そのアプリケーションに ドラッグ&ドロップが中継されます。もちろんアプリケーションの名前を 直接ダブルクリックしても同じです。

このときに『Change Creator』がチェックされていると、 ドラッグ&ドロップを中継する前に選択されたアプリケーションで 開かれることになるファイルのクリエータをそのアプリケーションに 変更します。これによって、次回からはそのファイルを直接ダブルクリック すれば、目的のアプリケーションで開くことができるようになります。

『Cancel』ボタンをクリックするか、 『Escape』か『Command + ピリオド(.)』キーを押せば、なにもせずに終了します。 ただしその場合にも、追加したアプリケーションはそのまま記憶されます。

ところで、リスト中では実行中のアプリケーションは太字で表示されます。 上の図で YooEdit が太字で表示されているのは、 それが現在実行中だからです。

このように DropReception は、ファイルタイプとアプリケーションの関係を 記憶してゆきます。ドラッグ&ドロップされたファイルのタイプに関する アプリケーションがすでに登録されていれば、Reception ダイアログボックスには 始めからそのアプリケーションが表示されます。

ディスクボリュームやフォルダは本来ファイルタイプを持っていませんが、 DropReception はそれらのタイプを 'fold' であると仮定します。

Reception ダイアログボックスで、アプリケーションが選択されている状態で 『Delete』キーを押すと、そのアプリケーションをリストから削除することができます。 その際には本当に削除してよいのかを尋ねるアラートが表示されます。

YooEdit: Copyright © 1988-1995 by Yooichi Tagawa.

アプリケーションの優先順位について

Reception ダイアログのリストにおいて、上の方に表示されているアプリケーションは 下の方に表示されているものよりも、優先順位が高いといえます。 ドラッグ&ドロップを中継する際に『Learn Priority』がチェックされていると、 DropReception は使用したアプリケーションの優先順位をひとつだけ上げます。 これによって、よく使われるアプリケーションほどリスト中で上の方に 表示されることになります。このようなアプリケーションは、 リストの上の方に表示されているので簡単に選択することができますが、 あまり使われていないアプリケーションを選択するためにはリストをスクロールする 必要があるかもしれません。

拡張子も覚えて欲しいっす

DropReception はファイルタイプとアプリケーションの関係意外に、 ファイル名の拡張子とアプリケーションの関係も覚えることができます。 ここで拡張子とは、ピリオド(.)で区切られたファイル名の終わりの部分、 具体的には『.html』とか『.gif』といったものです。

DropReception に拡張子を教えこむには、『File』メニューから『New Extension...』を 選択するか、『Command+N』キーを押します。 DropReception は以下のようなダイアログボックスを表示します。


New Extension ダイアログボックス

このダイアログボックスには、拡張子としてピリオド(.)で始まる文字列を 入力する必要があります。とりあえず『.pict』と入力してみましょう。 これで DropReception は『.pict』が意味のある拡張子であることを記憶しました。 試しに『秘密の写真.pict』という名前のファイルをドラッグ&ドロップしてみると...


拡張子『.pict』のための Reception ダイアログボックス

DropReception は拡張子『.pict』のために、Reception ダイアログボックスを 表示します。先程教えたばかりの拡張子ですので、まだアプリケーションは なにも登録されていません。この Reception ダイアログボックスはファイルタイプの ためのそれと機能的にまったく同じものです。アプリケーションの追加方法は もう知っていますよね? ;-)

InternetConfig への対応

DropReception は InternetConfig に対応しています。 InternetConfig を使用した以下の機能は、Preferences ダイアログボックスの 『Use InternetConfig』がチェックされている場合に有効になります。 この機能を使用しない場合、アプリケーションのパーティションサイズを 推奨サイズよりもさらに 30KB ほど減らすことができます。

名前に拡張子のついたファイルをドラッグ&ドロップした時に、 その拡張子が知らないものであった場合、DropReception は InternetConfig にファイルを開くためのアプリケーションを問い合わせます。 InternetConfig からアプリケーションが得られ、しかもそのアプリケーションが 実際にディスク上に存在していれば、DropReception は Reception ダイアログボックスを 表示せずに自動的にファイルをそのアプリケーションに中継します。

『File』メニューから『New Extension...』を選択して新しい拡張子を 登録する際に、DropReception は InternetConfig に新しい拡張子に対応する アプリケーションを問い合わせます。アプリケーションが得られれば 実際にディスク上に存在するかどうかに関らず、そのアプリケーションを 自動的に登録します。

InternetConfig: 1994-1995 by Peter N Lweis, Quinn "The Eskimo!".

キーを押しながらのドラッグ&ドロップ

DropReception にファイルをドラッグ&ドロップする時に 特定のキーを押していると、少し動きが変ります。

『Space』キーを押しながらファイルをドラッグ&ドロップすると、 DropReception は拡張子を無視して常にファイルタイプに関する Reception ダイアログボックスを表示します。

同様に『Shift』キーを押しながらファイルをドラッグ&ドロップすると、 拡張子を無視することに加え、ディスクボリュームやフォルダ以外は どんなファイルでもタイプが '****' であると仮定します。 このタイプ用には、例えば ResEdit のような、なんでも開ける アプリケーションを登録しておくと便利です。

アプリケーションの自動登録

『CapsLock』キーがロックされた状態でアプリケーションを ドラッグ&ドロップすると、アプリケーションが開けると思われる ファイルタイプ用にそのアプリケーションが自動的に一括登録されます。 この状態でドラッグ&ドロップされたアプリケーション以外のファイルは 単に無視されます。

具体的には、ドラッグ&ドロップされたアプリケーションのファイル内にある 'FREF' リソースを調べて、'APPL' を除くのすべてのファイルタイプ用に そのアプリケーションを登録します。

この機能は DropReception Support によって別プロセスとして実行されます。 'FREF' リソースを調べるためにアプリケーションのリソースフォークを 開くわけですが、大規模なアプリケーションではリソースマップを読み込むために たくさんのメモリが必要になってしまうからです。前述のように DropReception は できるだけ少ないメモリで実行できるように作られています。

各種設定について

『File』メニューの『Preferences...』を選択すると、 各種設定を変更するためのダイアログボックスが表示されます。


Preferences ダイアログボックス

Launch in Background
DropReception はドラッグ&ドロップによって起動した場合、 一仕事終えるとすぐに終了してしまいますが、DropReception 自身を ダブルクリックして起動した場合には、明示的に終了させるまで動き続けます。 この項目がチェックされていると、このような場合に起動直後に バックグラウンドへ移行するようになります。DropReception を起動項目に 入れておく場合にはチェックしておくとよいでしょう。

Use Command-Q As Quit
これがチェックされていると、『File』メニューの『Quit』コマンドに 『Command+Q』のショートカットがつきます。DropReception を動かした ままにしておきたい場合、このチェックをはずしておけば、うっかり 終了してしまうことが防げます。

Use InternetConfig
これがチェックされていると、 前述のInternetConfig を使った機能が有効になります。 これをオフにする場合アプリケーションのパーティションサイズを 推奨サイズよりもさらに 30KB ほど減らすことができます。 詳しくは『InternetConfig への対応』 の項目を参照してください。

Default of Change Creator
Reception ダイアログボックスの『Change Creator』と同じものです。 ただし、ここでの変更は設定ファイルに保存され次回の起動時にも有効になります。

Default of Learn Priority
Reception ダイアログボックスの『Learn Priority』と同じものです。 ただし、ここでの変更は設定ファイルに保存され次回の起動時にも有効になります。

Auto Select
ここに時間が設定されている場合、Reception ダイアログボックスが 表示された後、なにも操作しないまま設定した時間が経過すると、 最も優先度の高いアプリケーションが自動的に選択されます。

制限事項その他

〜 いや、あんまり制限はないんだけどね 〜

本ソフトウェアおよびドキュメントについての著作権は 作者である黒澤靖士に帰属します。 ただし作者は、本ソフトウェアに関してどんな保証もしませんし、 本ソフトウェアによって生じたいかなる損害に対しても 責任を負うものではありません。

本ソフトウェアはフリーウェアであり、 営利目的でなければ自由にコピー・配布を行ってかまいません。 ただし配布にともなう実費以上の金銭のやりとりはしないで下さい。 また転載する場合には事後でかまいませんので、作者まで連絡を下さい。

なお、開発には Metrowerks C/C++ 68K 1.4.3 (CW8) を使用しました。

また質問、バグレポートなどは作者までお願いします。 可能なかぎり対応したいと思います。
感想や励ましのお便りなどもお待ちしています。:-)


変更履歴

1996年4月2日 (2.2) 1996年3月27日 (2.1) 1996年3月20日 (2.0.1) 1996年3月18日 (2.0) 1996年3月14日 (2.0b3) 1996年3月4日 (2.0b2) 1996年3月3日 (2.0b1)

・・・中略・・・

1994年9月1日 (1.0)


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